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序章

 投稿者:ALMA-C  投稿日:2000年 2月 1日(火)01時57分8秒
  ……。

ッツ…。

バッツ…。

おいで…。



夢を見た。
親父とおふくろの夢だ。
爽やかな春風に吹かれ、俺は目を覚ます。

あたりは、広大な草原。
視界をさえぎるものは何一つない。
都会の、ごみごみした風景とは天と地ほどの差だ。

俺はバッツ。この世界をあてもなく旅している。
俺がまだ幼い頃、病気でおふくろは死んだ。
それを追うかのように、先月、俺を旅へと連れ出した親父も息を引き取った。

そんなためか、最近は両親の事が頭から離れない。
さっきの夢もそのせいだろう。

不思議な夢だった。
世界が真っ暗な闇で包まれ、俺は子供の頃の俺に戻っている。
そして、どこからともなく親父とおふくろが現れ、俺に向かって手招きするんだ。
俺は、どうしていいか分からずとまどうばかり。
そのうち、親父も、おふくろも、どんどん遠ざかってしまうんだ。
俺は追いかけるも、追いつく事ができない。
そして、親父もおふくろも、闇の中へと消え去ってしまう。
泣き叫ぶ俺。

そして……

ここで夢は終わった。
夢にしては、やけにくっきりと頭の中に残っている。


どこまでも広がる青空を見上げ、俺は軽く溜息をついた。
雲は、なにも変わることなく、悠々とたゆとうている。

気分を変えよう…
そう思った俺は、近くの泉へと向かった。


俺が泉のそばへ近づいたとき、向こう側になにか居るのをみつけた。
なんだろうか……黄色い…鳥?

親父から聞いたことがある。黄色い羽を持った飛べない鳥…チョコボだ。

「…クエッ?」
俺の視線に気付いたのか、チョコボは俺のほうを向いた。
見ると、体中傷だらけで、動く事も満足にできないようだ。
きっと、群れからはぐれて、肉食動物に襲われでもしたんだろう…

見ていられなくなった俺はチョコボに駆け寄り、
ありったけのポーションをそいつにくれてやった。

そして、なんとか動けるようになったチョコボは、振り向きもせずそのまま去っていった…。


その夜…

俺が焚き火のそばで眠っていると、俺の顔を舐めるものがいた。
そう、昼間のチョコボだ。
俺に礼でも言いに来たのだろうか。いや、ちがう。
行く当てがなくて困っているんだ…

「似たもの同士、か…」
俺はそっとチョコボを撫でてやった。

それが、俺とのちに「ボコ」と名付けたチョコボとの出会いだった。
 

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