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私の恥ずかしい告白を聞いてください 1
http://www.warewaredan.com/2006/04/4_2.html
私は、獄中で気づいてしまった。
私は「アダルト・チルドレン」なのだということに。
うー恥ずかしい。
自らの「心の傷」を得意気に語りちらす、近年の風潮を「ケッ」と思っていた私が、自身を「アダチル」規定せざるを得ないと認めることには、それこそ、プライドを大きく傷つけられる。はっきり云って屈辱的だ。
だが、事実なのだから仕方がない。
私は、それまで、ごく平凡な家庭に育ったと思っていた。
父も母も、私に充分な愛情を注いでくれたと思っていた。
現在の私の思想的・政治的立場が、圧倒的に正しいことには自信があるが、そのために社会の通常の枠から大きく外れ、両親の期待に背いたのは、つねづね申し訳ないことだと感じていた。
しかし、それらは大いなる勘違いであった。
今の私には分かる。
私は、異常な家庭に育った。
その異常さに気づくためには、獄中での長い内省を必要としたというくらいに、一見、フツーの家庭だった。
だが、あれは、崩壊家庭だったのだ。
最初から崩壊した家庭で、私は愛されずに育ち、こうなった。
父方祖母の職場の同僚だった母と見合い結婚した父は、初夜の翌日、母が、「処女ではなかった」と大騒ぎし、身に覚えのなかった母は、いたたまれなくなって、隣町の実家へ逃げるという事件があったという (こんな話を息子の私が、知っているということ、自体が、そもそも異常だと思う)。
結局、説得されて、母は、すぐに嫁ぎ先に戻ったのだが、夫婦の信頼関係は、新婚早々に壊れていたのだ。
母は、その後、ずっと父を軽蔑し続けた。
険悪な夫婦関係が、子育てに悪影響を与えないはずがない。
母は、おそらく、子供たちを自分の側に引き入れようとした。
私にそれが、母親の愛情だと、錯覚させたものは、実は、すべて父への報復感情に基づいていたのだ。
実際、父は、軽蔑に値する人間だ。
父は、7人きょうだいだが、うち男は父一人だ。
鹿児島には、珍しく、女の発言力が、圧倒的に強い家庭だったのだと思う。
父の異常な性質は、そんな環境に規定されているのに違いない。
さかのぼっていけば、キリのない話だが、父の異常も、そもそもは、外山家の異常に起因するのだ。
そうだ。
そもそも外山一族は、異常なのだ。
よしあしは、ともかくとして、普通の日本の家庭では、母方よりも父方の親族関係の方が、近しくなりがちだろう。
私から見れば、私の親族も同じだったから、私は、長らくこの外山一族の異常さに気がつかなかったのだ。
つまり、私にとって、頻繁な付き合いのある親戚というのは、父方のそれだった。
おじ・おばやイトコたち。だから長らく疑問に思わなかったのだが、よくよく考えてみれば、私にとって父方のイトコである彼らの側から見た時、私は彼らにとって母方のイトコなのだ。
私が、近しい親戚だと思っていた父方のおじたちは、よくよく考えると私との血縁はなく、単におばの嫁ぎ先であるに過ぎない。
盆・正月のたびごとに外山一族は鹿児島の父方実家に結集していたが、イトコたちにとってそれは父方ではなく母方の実家だ。
もちろん、血縁のあるおばたちも含め、彼らは、そもそもすでに「外山」の苗字を持っていない。
現在でも、外山一族の中でもっとも発言力を持っているのは、よくよく考えると外山家の人間ではない、おじ――私から見て、父の妹の夫だ。
地元で、以前、観光ホテルを経営していたそのおじは、要するに親戚一同の中で、ずばぬけて金持ちなのだ。
私のおば、つまり、父自身にとっての姉や妹たちに頭の上がらない父は、もちろん、このほとんど他人であるはずのおじにも、頭が上がらない。
振る舞いを観察していると、ほとんど下僕である。
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